カフェ・喫茶店を開業すると言っても、初めてだとわからないことがたくさんあります。
物件の選び方やどんな資格が必要かなど、わからないことも多いでしょう。
そこで、まずは、カフェ開業に至るまでの流れをざっくりとご紹介します。
- 物件の選定、契約
- 内装業者の選定、契約
- 保健所へ事前相談、営業許可申請
- 食品衛生責任者講習の予約、受講
- 内装工事後、保健所の立会検査を受ける
- 営業許可証交付
もちろん、この間に備品を購入したり、看板を作成したりと細々必要なことはたくさんあります。
ただ、基本的に“カフェを開業するだけ”であれば、この6つの手順で開業することができます。
もう少し詳しく見ていきましょう。
カフェの物件の選定と契約のポイントとは?
カフェや喫茶店用の物件の選定のポイントはいくつかありますので、こちらも一覧にしましょう。
- 飲食可の物件を選ぶ
- 路面店と2階以上なら路面店を選ぶ
- できるだけ敷地は広いところを選ぶ
- 目の前はできるだけ人通りが多いところを選ぶ
- コンセプトに合った立地を選ぶ
以上です。
少し解説をしていきます。
飲食店可の物件を選ぶ
まず大事なのは飲食店可の物件を選ぶことです。どんなにいい物件でも、飲食店に使えない物件だと意味がありません。
ウェブサイトによっては業種を選択できる機能がついているので、それを使うと便利でしょう。
ちなみに、このとき知っておくべき単語として、“スケルトン”と”居抜き”があります。
スケルトンなら、お金さえあれば自分の好きなようにお店を作ることができます。
ただ、スケルトンと言ってもトイレぐらいは残っているものもあれば、本当になにもないものまで様々です。
そのまま開業することもでき、低価格で開業が可能です。
ただし、前のお店のイメージなどがそのまま残ってしまいます。
どちらにもメリット・デメリットがあります。居ぬきとスケルトンの違いは把握しておきましょう。
詳しい違いについては、下記の記事で紹介しています。
路面店と2階以上なら路面店を選ぶ
路面店と2階以上なら、路面店を選ぶことをおすすめします。
理由としては路面店(1階)と2階以上では売上が段違いになるからです。
なにか特別な理由があるなら別ですが、基本的には路面店の物件を選びましょう。
ちなみに、路面店に似た言葉として”ロードサイド”という言葉があります。
似ていますが、厳密には意味が違います。
路面店はあくまで商業施設のなかであっても1階のお店なら路面店。ロードサイドは幹線道路など大きな道沿いの1階のお店を指しています。
路面店のほうが少し広い意味ですね。
検索のときに知っておくと便利ですよ!
できるだけ敷地は広いところを選ぶ
また、できるだけ敷地は広いほうが使い勝手はいいです。
特に、カフェは低単価なので、席数=売上になります。
席数が10席しかないお店と30席あるお店は単純計算で3倍ぐらい売上が変わってくるのです。
「でも、1人経営だからスペースだけ広くても…」と思われるかもしれません。
そういった方は、最悪、間仕切りを使ってスペース貸しに使ってもいいのです。
スペースが広くて悩むのは水道光熱費ぐらいのものですが、狭いといろいろな悩みが出てきます。
もちろん、スペースが広いほど家賃も高くなります。
あくまで“同じぐらいの家賃で悩んでいる物件が2つあればより広いほうを選ぼう”といった程度ではあります。
目の前はできるだけ人通りが多いところを選ぶ
これはカフェや喫茶店に限った話ではありません。
「目の前を毎日どのぐらいの人が通るのか」は飲食店の売上に大きく影響します。
特に、人通りの多い繁華街なら、大きな看板を1つ作るだけでウェブ集客などより、よほど集客効果を持つことも。
すると、広告宣伝費の節約にもなります。
もちろん家賃との兼ね合いもあるものの、基本的には人通りが多い物件を選びましょう。
カフェ・喫茶店のコンセプトに合った立地を選ぶ
最後に大事なのが、カフェ・喫茶店のコンセプトに合った立地を選ぶことです。
どれだけ人通りが多い路面店でも、コンセプトがマッチしていなければ売上は上がりません。
たとえばこんなケース。
・オフィス街なのに9時からモーニングを始める
・郊外の住宅街なのにお子様入場禁止のカフェを始める
・高級住宅街なのに、低単価で立ち飲みだけのコーヒースタンドを始める
細かい例を見ていけば、まだまだたくさん例はあります。これが意外とやらかしがちなのです。
カフェ・喫茶店のコンセプトに合った立地を選ぶことはとても大事。
ぜひ、注意しておきましょう。
物件を契約したら内装業者の選定をしよう!
物件を選んだら内装業者の選定をしましょう。
ただ、これは物件の契約と前後していても構いません。
なぜなら、内装業者に先に話をつけておくと、物件の選定から手伝ってくれることもあるからです。
素人では気づかないようなポイントを指摘してくれることもあるので、内装業者の選定は早め早めが大事です。
また、内装業者ではなくデザイナーに頼むという手も。
デザイナーに頼むメリットについては、下記で紹介しています。
お金があまりないけど、内装業者は必要?
ときどき、お金があまりないのでDIYで開業しようとする方がいらっしゃいます。
飲食経営のノウハウが豊富で、手先が器用という方ならそれでもかまいません。
ですが、カフェ開業初心者の場合、あまりおすすめはしません。
その理由としては、初心者が作るものは保健所の許可に通らない可能性があるということ。
カフェ・喫茶店を開業するには、保健所で営業許可の申請をする必要があります。
ですが、初心者が作ったものでは、その基準を満たさない可能性があります。
居ぬきで、すでに飲食営業許可をとれるレベルのお店ならDIYでもいいかもしれません。
ただ、基本的にはおすすめはあまりしません。
できるなら、きちんと資金をためてから開業準備を進めていきましょう!
内装工事の見積もりは複数個所からとる
また、内装工事の見積もりは必ず複数個所からとってください。
開業に慣れている人であればだいたい相場観が分かりますが、初心者だと安いのか・高いのかが分かりません。
必ず2社以上からのお見積りはとりましょう。
また、費用の明細を渡されるので、わからないことはきちんと尋ねましょう。
何かしらの項目が、A社の見積もりには入っていなかったのに、B社の見積もりには入っていたりといったことがあります。
そのとき、その施工が必要かを最終的に判断するのは施主であるあなたです。
ただ安い見積もりをとれればいいというものではありません。
きちんと、見積もりの内容を精査してくださいね!
保健所へ物件契約前に事前に相談する
物件の選定が終わり、内装業者の選定が終わったら保健所へ相談に行きましょう。
内装工事業者が親切な場合、保健所への確認などもしてくれるところもあります。
そうでない場合は、必ず自分の足で保健所へ相談しましょう。
以前あったトラブルとして、こんなものがあります。
飲食店の開業に慣れているという施工業者だったので、安心して任せていたら、実際に保健所の審査が入ったときに審査に通らなかった。追加の施工を頼んだら、追加で費用をとられた。最終的に図面などを見ず、施工をお願いしたのは自分なので、施工業者に文句も言えず、予算オーバーしてしまった…
“飲食店の施工に慣れている”業者が必ず信用できるとは限りません。
なぜなら、あなたの物件で、あなたのお店を作るのは初めてなのです。
保健所は自治体によって、もっと言えば担当者によっても判断が変わってくることがあります。
内装業者に図面をもらったら、必ず保健所へ相談に行きましょう。
営業許可申請と食品衛生責任者講習の予約
さて、保健所に図面のOKをもらったら、物件の契約と内装工事の着手に入ります。
個人店なら大体2週間程度ぐらいで工事が終わるでしょう。
これと並行して、営業許可申請と食品衛生責任者講習の予約をすませましょう。
営業許可申請と食品衛生責任者の資格とは?
営業許可申請は施設に降りるもので、食品衛生責任者はお店に立つ人におりる資格です。
カフェ・喫茶店を始めるためには、この2つが必要になります。
飲食店営業許可は、申請をすると、後日保健所の方が店舗にいらっしゃって、物件の審査をしてくれます。
審査に通ると営業許可が無事発行されます。
一方で、食品衛生責任者は1日の講習を受けるだけで取得ができます。
ただ、直近の日付だと予約がいっぱいなこともあるので、早めに予約をしておきましょう。
ちなみに、有資格者の場合は、一部の講座受講が免除されます。詳しくは下記をご覧ください。
保健所の立会検査を受け、営業許可証を交付される
さて、内装工事が終わり、保健所の立ち合い検査が無事に終われば、晴れてカフェの開業です。
お疲れさまでした。
ただし、ここで検査に落ち、営業許可証が交付されないこともあります。
その場合は、指摘された箇所を修正し、再度検査を受けることになります。検査自体は1回で受からなくても構いません。実際、何度も審査を受けてようやく合格した人もいます。
とはいえ、何度も検査の日程を予約するのも大変。できれば1回で受かりたいところですけどね。
カフェ開業の道のりは、大変ですが、苦労して作り上げたぶん愛着も沸くもの。
ぜひ頑張ってくださいね!
↓開業資金などについても解説しています!
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