カフェ・喫茶店の開業を夢見ている人はきっと少なくないでしょう。
とはいえ、ただ夢見ているままでは夢のまま。きちんと計画を立てて、夢を目標に近づけていかなければいけません。
そこでこの記事では、カフェ開業1年前~半年の方に向けて、今やるべきことをお伝えします。
カフェ開業1年前にやるべきこととは?
カフェ開業1年前と言われると、まだまだ先のことのように感じます。
ですが、カフェ開業に何件もかかわってきた経験から言えば、1年はあっという間です。
特に、オープン3か月前からは時間があっという間に過ぎてしまいます。「何も考えられないまま、お店がスタートしてしまった…」なんてことにもなりかねません。
そのため、1年前~半年前にやるべきことは主に2つ。
- きちんとカフェのコンセプトを練る
- カフェ開業に向けて資金的・経営的体力をつけていく
この2つについて詳しく解説していきましょう。
カフェ・喫茶店のコンセプトを練るとは?
まず、カフェ・喫茶店のコンセプトを練るとはどういう意味でしょうか?
たとえば、カフェ開業を考える方には必ず聞くことがあります。
それは「あなたのカフェはどんなお店にしたいですか?」です。
すると、たいていはこういった答えが返ってきます。
- 儲からなくていいので1人で生きていけるだけの収入が欲しい
- 美味しいコーヒーを安価に広めていきたい
- 地元にママが通えるおしゃれなカフェがないので作りたい
簡単に言えば、これは夢であってコンセプトではありません。
夢が悪いわけではないのですが、ここからコンセプトに落とし込んでいくための作業が必要になります。
カフェの開業を夢から目標に変えるために
そもそもビジネスにおけるコンセプトとは下記のようなものを指します。
どのような顧客に
https://x.gd/jVHBZ
どのような価値を
どのようにして提供するか
といった、企画の骨組み・構想
そのため、カフェ・コンセプトを練るにはこの3つが入っている必要があります。
経験上、ここがはっきりしている方としていない方では、カフェオープン後の安定感が天と地ほども違います。
必ず時間をかけて考えましょう。
カフェのターゲット層が決まると、お店が変わる!
ただ、これだけだと抽象的なので、1つ具体例を出します。さっきの3つの基準を例にカフェのコンセプトを1つ提案しましょう。
まずは「どのような顧客に提供するか?」ターゲット層の設定です。
たとえば、30代の専業主婦女性をターゲットにするカフェを想定してみます。
すると、こんなことが想定できるでしょう。
- オフィス街よりも郊外に店を構える
- 保育園の送り迎えなど、朝・夕の時間帯に必ず営業する
- 休日は家族での来店も見込めるから、休みは平日にする
- お子様メニューは多くなくてもいいのでマスト
- 比較的余裕のある層が多いので、単価は少し高めに
- カウンター席よりもグループ席で使える席を増やす
これはパッと考えただけなので、メニューに落とし込んだりすれば、まだまだ具体案は出てきます。
ただ、“ターゲット層を絞る”とはこういうことです。
ときどき、「うちのことを気に行ってくれる方であればだれでも…」という方がいらっしゃいます。一見、だれにでも使いやすいように感じますが、逆です。
そういったお店は誰にとっても使いづらいのです。
ターゲット層を絞るとは、お客さんを限定することではありません。きちんと狙った層に、きちんとサービスをお届けするための作業なのです。
どのような価値を、どのように提供するのか?
さて、ターゲット層が決まったところで、あなたのカフェはどのような価値をどうやって提供しますか?
よくあるのが、その層の人たちは疲れているから”リラックスできる空間を”という答え。悪いわけではありませんが、もう少し具体的にしましょう。
“リラックスできる空間”と簡単に言いますが、リラックスできる状態は人によって違います。たとえば、接客。
一昔前なら
丁寧なフルサービス
少し目線を送ればお水のお替りをついでくれる
マスターが気を利かせてカウンターでおしゃべりしてくれる
といったTHE喫茶店スタイルがリラックスできるお店でした。もちろん、私もこういった喫茶店は大好きです。
一方で、最近の若手の方にはこんなお店が人気だったりします。
セルフサービスで水もコーヒーも自分で持ち運びたい
店員にじろじろ見られるのは監視されるみたいで落ち着かない
Wi-fiや間仕切りなど、1人で長時間過ごせるサービスの充実
リラックスという言葉は便利なようで、人によってまったく解釈が違います。接客ひとつとってもこうです。
料理やドリンク、内装の作り方etc…と、1つ1つの要素を見ていけば、リラックスできるお店がもっとクリアになっていくでしょう。
どんな価値を、どのように提供できるのかをしっかり練りましょう。]
コンセプトの練り方など、カフェ開業の基本について学べる本を下記で紹介しています。カフェのコンセプトについてもっと深く考えたい方はご覧ください。
カフェ開業に向けて資金的・経営的体力をつけていく
さて、コンセプトを決める作業と並行してやっていくことがいくつかあります。
- 資金集め
- 技術や知識習得
- 物件探し
- SNSアカウントを育てる
まずは、資金集めです。
アルバイトを増やして月10万円も収入が増えれば、1年後の開業資金は120万円もちがいます。
また、アルバイト以外にもマルシェやイベントに出店してコーヒーを出すという手も。
店舗運営のノウハウも学べるうえにお客さんもつきますし、融資を受ける方には”実績”にもなります。
1年間をどうやって過ごすかはお店の今後を占うためにも最重要です。
カフェ・喫茶店の技術や知識習得はどうやってするのか?
カフェ・喫茶店の知識や技術習得と言っても、主に2つの要素があります。
- コーヒーやケーキなど調理にかかわる知識・技術の習得
- 経営や経理など、運営面にかかわる知識の習得
まず、前者に関しては、いくつか手段があります。代表的なのは下記の通り。
- 飲食店でアルバイトをする
- カフェスクールやお菓子教室に通う
- コーヒー関連の資格などを取る
どれも一長一短です。これだけをやればいいというものはありませんが、主にこの3つから比較するとよいでしょう。
コーヒーの資格などについては、下記の記事で紹介しています。
一方で、経営や経理に関しては、実はほとんどの人が独学。ただ、学べるところがないわけではありません。
たとえば、地元の商工会議所の創業支援セミナーを探してください。よほどの地方でもない限り、たいていは開催しているはずです。
商工会議所や公的団体がやっているこの創業セミナーにはいくつかメリットがあります。
- 半公的団体なので受講料がめちゃくちゃ安い
- セミナーを受けることで融資が受けやすくなったり、利率が下がる
- 補助金や助成金の案内などをしてもらえることも
- 同じ創業希望者と顔合わせできる
だいたいこんなところ。
特に、セミナーを受けることが助成金の条件となっていたり、融資の利率に影響することも多いので、受けるにせよ、受けないにせよ、一度は必ず調べておきましょう。
カフェ・喫茶店の物件を探す
1年前からカフェ・喫茶店の物件を探しても、契約できるわけではないので意味がない…
そう思っていませんか?そんなことはありません。
初めて開業される方の多くに共通するのは、とにかく相場観が足りないこと。
たとえば、あなたの開業したい地域の物件の広さはどのぐらいで、坪単価はどのぐらいが相場でしょうか?
また、居ぬき物件が多いエリアですか?それともスケルトンしかないようなエリアですか?
物件はとにかくたくさん見てください。都会ならインターネットで探せる範囲でも十分見る目は養われます。
1年前~半年前では、物件が契約できないから意味がない!…なんてことはないのです。
集客のためのSNSアカウントを育てる
1年前から始められる集客の準備があります。それがSNSアカウントを育てること。
これをやっているかやっていないかだけでも、オープン前の資金集め・オープン後の集客が段違いに変わってきます。
「1年前から何を発信していいか分からない」
そんな方も多いでしょう。私が知る限りでは、Instagramでこんなアカウントをやっている方がいらっしゃいました。
カフェ巡りをし、カフェのレビューをする
いろいろなコーヒー器具をとりよせレビューする
コーヒー生豆を買って、その焙煎している様子をアップロードする
カフェ開業までの道のりを投稿にしていく
意外と、オープン1年前でもSNSで発信することはできるのです。
そして、3日1軒でもカフェ・コーヒー屋をめぐってレビューしていれば、あなたは「年間100軒のカフェをめぐったカフェ巡りのプロ」になれます。
フォロワーもきっと少なくても数百人ぐらいにはなることでしょう。うまくすれば、数千から1万人超えのアカウントになっていたり…
地道な発信は必ず、あなたのお店の将来にプラスになります。
ぜひ頑張ってくださいね!
カフェ開業1年前~半年前の過ごし方について
さて、カフェ・喫茶店開業1年前~半年前の過ごし方のイメージはつきましたか?
こうやってみると、1年前というのは意外と忙しいことが伝わるはず。
正直、今回紹介した内容は、やらなくたってカフェ開業ができるものばかりです。別に3か月前から始めても、カフェや喫茶店はオープンできます。
ですが、これをやっているのとやっていないのとでは、ここから先の時間の過ごし方が全く変わります。
カフェ開業を”夢”から”目標”にするために、頑張ってくださいね!
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