今のところ、日本国内において”コーヒーの公的な資格”というものは存在しません。
つまり、「○○の資格を取ったからバリスタを名乗れる!」というものではないのです。
むしろ、たとえあなたがコーヒーを淹れたことがなくてもバリスタと名乗ることだってできます。
実際、スターバックスなどのコーヒーチェーン店を見てください。店頭に立っているアルバイトは全員”バリスタ”を名乗っています。
バーテンダーや看護師とは違い、バリスタは誰でも名乗れるのです。
ですので、カフェ開業や就職にあたって必要なコーヒーの資格というものもありません。唯一必要な資格があるとすれば、食品衛生責任者の資格ぐらいです。
とはいえ、勉強のついでにコーヒーの資格や認定などが取れればそれはそれで嬉しいもの。
趣味レベルの人であれば余暇活動として本気の人であれば履歴書の資格欄の一つとして、あるいは自己アピールの一つとして提出することもできるでしょう。
そこで今回は、コーヒーの民間資格についてご紹介します。
趣味レベルのものからガッツリ本気レベルのものまでまとめて一覧にしてみました。
ぜひ、あなたにあったコーヒー資格を見つけてくださいね!
趣味レベルのコーヒーの資格
趣味レベルのコーヒーの資格は、通信制講座が多いです。
これだけでカフェ開業!…というのは難しいですが、少なくともコーヒーの基本を知るには十分です。
コーヒーコーディネーター
一応、カフェ開業ができるとは書いてありますが、基本的には通信講座によるもの。
「これを取ったからカフェでの就職に有利!」
「これを取ったからカフェ開業の際にウリにできる」
…というほどのものではありません。
ですが、コーヒーのことを全く知らない人にとっては本気の資格を取得するのはなかなかハードルが高いです。
こういったところから学んでいくのは一つの手でしょう。
実際、カフェの求人案内などを出しても、コーヒーの知識など最初は全くない人がほとんど。
少なからずアドバンテージになるとは思います。
「これだけで食っていく」ほどではないものの、趣味として、スキルアップの一部として身に着けるには悪くない資格です。
UCCが運営するUCCドリップマスター
コーヒーと言えばおなじみのUCCがユーキャンを通して開講している通信講座。
こちらも通学タイプではなく通信制です。
一般コース「おうちdeカフェコース」の39,000円もあります。ただ、UCCドリップマスター資格を取得するには「ドリップマスターコース」69,000円を受講する必要があります。
値段が決して安くはないぶん、ドリップマスター資格の賞状ももらえますし、添削サービスなどもあります。
主にドリップコーヒーなどに関する知識が得られます。
この資格を取ったからといってすぐに就職、カフェ開業ができるわけではありません。
ただ、ペーパードリップに必要な器具、豆がまとめて送られてきます。どんな道具を買ったらいいか分からない初心者の趣味としてはおすすめです。
器具がついてくるぶん、お安くはありません。ただ、専門スタッフとのやり取りができる点は一つの魅力でしょう。
エスプレッソやカッピングなど、より専門的なことを学べるプロフェッショナルコースへの資格要件にもなっています。そちらを取得したい方も利用するとよいでしょう。
バリスタを目指す方レベルのコーヒーの資格
バリスタを目指す方レベルの資格となると、けっこう難易度は高いです。
受講したからと言って、必ずしも合格できるとは限りません。ですが、このランクを持っていると、一応コーヒー会社に入社するときでも有利になるでしょう。
コーヒーマイスター
コーヒーマイスターとは Specialty Coffee Association of Japan
養成講座を経て、実技講習、認定試験を終えてやっと取得できる資格。
日本スペシャルティコーヒー協会に入会していなければ養成講座を受けることができません。
そのため
- 個人会員として入会する(1万~3万円)
- 法人として入会している飲食店のメンバーとして参加する
のどちらかが必要になります。
これを取ったからといってすぐに仕事が生まれるわけではありません。ただ、コーヒーマイスター資格をウリにしているカフェや喫茶店も少なくありません。
本格的にコーヒーがウリというお店は取っておいてもよいでしょう。
コーヒーインストラクター検定
全日本コーヒー商工組合連合会が認定している資格。資格を突き詰めていくと、コーヒーインストラクター2級、1級と続き、最終的には「コーヒー鑑定士」を目指すことになります。
名前の通り、どちらかというとコーヒーの鑑定や評価、知識などがメインになってくる資格です。
コーヒーインストラクター2級レベルであれば、受験者の多くが合格するレベルですが、鑑定士ともなると合格率は5%未満(第10回)の難関資格になります。
まずは2級の取得を目指しましょう。2級ならコーヒー屋のアルバイトでも(きちんと勉強すれば)取得できます。
1級ともなると、コーヒー商社の社員レベルぐらいになってきます。
JBA認定 バリスタライセンス
日本バリスタ協会が認定する資格で、多くは専門学校などの教育期間で採用されている資格です。レベル1から3までのバリスタライセンスがあります。
受験資格としては、JBAの認定校のカリキュラム(1年未満)を受けた方か、カフェで1年以上の就業経験が必要になります。
そのため、初心者が思い立ってすぐに受けられる資格というわけではありません。
学ぶ内容としてはエスプレッソやカプチーノなど、エスプレッソマシンを使ったドリンク、技術などが中心。
ドリップコーヒーや色々な淹れ方について学びたいという方には向かないかもしれません。
どちらかというと、本来的なイタリアの”バリスタ”になりたい人におすすめ。
ただ、特に社会人の方にとって、受験のハードルは高いです。
Qグレーダー(Licensed Q Grader)
概要 « Qグレーダーコース Specialty Coffee Association of Japan
コーヒーマイスターと同じく、日本スペシャルティコーヒー協会が認定する資格。民間のなかでは唯一の国際コーヒー資格です。
数年前に、QアラビカグレーダーとQロブスタグレーダーに分かれました。基本的に、今の日本ではアラビカグレーダーを持っていれば十分です。
コーヒーマイスターはコーヒーの抽出、もしくはコーヒー全般の知識や技術に力を入れています。
一方で、Qグレーダーは味覚や嗅覚テスト、カッピングなど「コーヒーの評価をできる」ことを示す資格になっています。
どちらかと言えば、バリスタを目指すよりも焙煎屋を目指す人向けの資格。
ただ、受講料は他の資格よりもハードルは高いので、初心者がいきなり受けるのはおすすめしません。
一回受講するのに30万円以上の費用が必要になるうえ、神戸のUCCアカデミーまで行く必要があるので、取得条件そのものが本気の人向けといった資格です。
民間団体のバリスタ開業コース
また、こういった上記資格以外で勉強することもできます。
たとえば、民間企業が実施しているカフェ開業コースやバリスタ養成コースです。
※上にご紹介したUCCのドリップマイスターもここに含まれます
名古屋のIMOM COFFEEが運営するカフェ開業セミナーでは、認定証だけでなく、IMOM認定のコーヒーセミナー講師として活躍できる認証もついてきたりします。
民間資格は実践的なものが多いため、現場にすぐ立ちたい!という方には向いているでしょう。
コーヒーの資格についてまとめ
ここまで紹介してきた資格との違いは下記の通り。
「コーヒー資格」 座学や通信制が中心
「民間のカフェ開業コース」 実践に焦点をあてていることが多い。座学は少なめ
このように、こうしたコースは資格をとることよりも、そのあとの開業に視点を置いています。
そのため、コースの勉強以外にも開業サポートなど、様々な特典がついていたりします。
ピンとくる資格がなければ、こういった民間の養成コースを受講するのも面白いかもしれません。
コメント