初めてのマルシェ出店。
必要なものはもうお持ちでしょうか?
必要な手続きはお済みですか?
ここでは『カフェ・コーヒー屋向け! 初めてのマルシェ出店ガイド: 初めてのイベントを成功させるノウハウ』の著者が、出店に必要な道具や選び方のポイントをご紹介していきます。
飲食店、特にカフェでマルシェ出店される方にご参考にしていただければ幸いです。
この記事ではこんな内容についてご紹介していきます。
1.マルシェ出店までの基本的な流れ
2.保健所や消防署の許可を得るのに必要な設備
3.許可には関係ないが、運営上ないと困る設備
以上です。詳しく見ていきましょう!
コーヒー屋の初出店までの基本的な流れ
イベントでコーヒー屋を出店するための基本的な流れは以下の通りです。
1. 出店するマルシェを探す
2.マルシェの募集要項を見て必要な許可を調べる
3.保健所の「営業許可」「食品衛生責任者」をとる
4.保健所の営業許可をとるのに必要な備品を買う
5.(必要なら)消防署の許可をとるのに必要な”消火器”を買う
6.イベント当日!がんばってください!
以上です。
※ポイントを解説していきますが、「基本的なことは分かっているから購入する備品について知りたい!」という方は『保健所や消防署の許可をとるのに必要な設備』までとばしてください
出店するマルシェを探す
まずは出店できるマルシェ探しです。
ネットで探すなら「”名古屋” “イベント” “出店募集”」
など、地名を入れて探すと、大きなイベントが検索できます。
ちなみに、愛知県内の出店者募集中のイベントについては下記の記事にまとめています。
よかったらご参考まで。
マルシェの募集要項を見て必要な許可を調べる
出店したいイベントが見つかったら、募集要項を見ておきましょう。
小さいイベントだと、保健所の許可だけでOKです。
でも、大きいイベントだと
警察の道路使用許可
消防署への届け出
などが必要なことも。
ただ、これらの許可が必要なときは、営業許可の申請も含めてマルシェ運営側が仕切っていることが多いです。
ですので、個別申請などはする必要がありませんのでご安心を。
“申し込みのときに記入する書類が少し増える程度”のことだと思ってください。
保健所の「営業許可」「食品衛生責任者」をとる
出店するイベントが決まったら、管轄の保健所に電話、アクセスしてみましょう。
営業許可や食品衛生責任者の申し込みの仕方について教えてくれるはずです。
ちなみに、尋ねるのは”住んでいるところの保健所”ではありません。
“出店する場所の保健所”です。間違えないようご注意を!
さて、下記については、ここからまとめて詳しく解説していきます。
4.保健所の営業許可取得に必要な備品を買う
5.(必要なら)消防署の許可を取得に必要な”消火器”を買う
保健所や消防署の許可をとるのに必要な設備
保健所や消防署の許可を得るために必要な設備についてご紹介します。
まずは消防署の許可に必要な設備・備品を見ていきましょう!
消防署の許可に必要なカフェの設備とは?
消防署の許可に必要な設備はたった1つ。消火器です。
消火器は1本4,000~5,000円と安くはありません。
ですが、1本持っておけば通年は使えますし、調理をする以上は必ず火事の危険性が伴います。
カフェやコーヒーのマルシェ出店者なら1本は必ず持っておくべき道具です。
消火器はどんなマルシェで必須になるの?
消火器と消防署の許可はどんなイベントでもコーヒー屋やカフェなら必須!
…ではありません。
まず、消防署の許可はいつも必要なわけではありません。
イベントの規模によって消火器さえあれば、消防署の許可が必要ないものもあります。
※具体的には出店が100店舗未満のイベント
こういった例外的なイベントに関しては、たいていイベントの募集要項を読めばわかります。
たとえば下記のように書いてあれば、消防設備は必須。
ですが、消防署の許可はいりません。
カフェやコーヒー屋として出店する方は、必ず消火器と消防所の許可の欄に注意してください。
保健所の営業許可に必要な設備
次に、イベントやマルシェで飲食品を提供する際に絶対に必要なのが、保健所の許可です。
イベントやマルシェでコーヒーを提供するのに必要な許可は主に2つに分かれます。
露店営業許可と臨時営業許可です。
露店営業許可と臨時営業許可の違いは?
お祭りやイベントで定期的にコーヒーを提供したい方は、露店営業許可が必要になります。
それとは逆に、1回限りの方は臨時営業許可で大丈夫です。
この2つの資格は申請の手続きの仕方と、審査の仕方が違います。
露店営業許可は、事前に必要な道具を保健所に持っていき、そこで組み立てて審査をされます。
一方で、臨時営業許可は保健所の方がイベント当日などに会場を訪れ、各店舗を審査していきます。
逆に言えば、審査の仕方が違うだけで、必要な道具や設備は変わりません。
コーヒーの営業許可をとるのに必要な道具とは?
繰り返しになりますが、どちらの営業許可を取るにせよ、それほど必要な設備は変わりません。
必要なものを以下に記載しておきます。
基本的には上記のセットで最低限OK!
…ですが、保健所によってはもう少し細かい備品を求められることも。
この辺りは保健所ごとに判断が分かれるところなので、必ず確認してください。
図面にするとこんな感じ。
テントとテントの三方囲いについて
まず絶対に必要なのが、テントとテントの側面を囲う囲いです。
これは(屋内イベントでない限り)どこの自治体でも必須です。
おすすめなのが、ワンタッチで組み立てられるFIELDOORのワンタッチテント。
一人でも組み立てられる簡単仕様なうえ、アウトドア系の会社なので使い勝手もいいのが特徴です。
囲いは”タープ”や”天幕”と呼ばれます。
保健所の許可をとるには側面と後ろ面の3面を囲わないといけないので、タープは3枚必要になります。
3枚付きのタープテントがあればいいのですが、1枚や2枚しかついていないテントがほとんど。
別売りでタープは買えるので、必ず3面ぶんのタープを買っておきましょう。
マルシェ出店に必要なテントの選び方は?
ちなみに、マルシェ出店に必要なテントの選び方のポイントはサイズ感です。
たいていのイベントは1ブースを2.5m×2.5mで仕切っていることが多いです。
ただ、イベントによっては2m×2mや、3m×3mのイベントもあります。
1台でどんなイベントにも持ち運びをされたい場合は、最小の2m×2mがおすすめ。
ですが、3m×3mのイベントに2m×2mのテントを持ち込むと、かなり狭苦しく見えます。
事前に募集要項でブースの広さをチェックしておきましょう。
手洗い設備と排水設備はどんなものがおすすめ?
そして屋外でも屋内でも必須なのが、手洗い設備と器具の洗浄設備。
こう言われると大げさなものを想像するかもしれませんが、これは簡単。
蛇口やコックのついたウォータータンクが2つあればOKです。
ただし、容量は20ℓ以上のものを購入しましょう。これは保健所の決まりです。
そして、もう1つ必要なのが、ウォータータンクの下にバケツを置いて、排水がたれ流しにならないように設置するバケツ。
バケツ自体はなんでもOK。
洗浄設備にシンクが必要と言われたんだけど…?
ちなみに、保健所によってはこれだけでは洗浄設備と認められないことがあります。
シンクが必須と言われることもあるでしょう。
まず必要なのは屋外シンクです。
シンクの上に先ほどのウォータータンクを、排水口にバケツを置くだけでOK。
ただ、シンクが意外と安くないうえにスペースもとるので、あまり使いたくないのが素直なところですけどね…。
コロナ以降必須に!消毒液
コロナ禍以降必須になった自治体が多いのが、卓上の消毒液。
特に指定などはありませんので、1つ持っておけば大丈夫です。
持ち運びすることが多いので、詰め替え式のポンプタイプを1つ持っておくと便利です。
マルシェに最適なテーブルの選び方は?
そしてお客様とスタッフとを分けるテーブル兼作業台も必要です。
テーブルの素材はなんでも構いません。
ただ、イベントに何度も持ち運びするものなので、アルミのような軽いもののほうが楽です。
アルミテーブルの見た目が気になるかもしれません。
ですが、お客様とスタッフとを分けるテーブルは足元が通り過ぎられないよう、布をかぶせる必要があります。
↓イメージ図
そのため、テーブルそのものの見た目は関係ありません。機能性で選びましょう。
テーブルや作業台を選ぶときのコツは高さ!
飲食店関係者ならわかりますが、テーブルを選ぶときの最大のコツは高さです。
これだけで疲れやすさが全然違います。
男女で異なりますが、平均はだいたい高さ70cmぐらいがおすすめ。
そこからドリップコーヒーを淹れるとなると、10cmほど高さが上がります。
ご自身の普段のドリップ環境を想定して高さを決めてくださいね!
特にこだわりがなければ70cmでいいでしょう。
衛生的にごみを処理!ふたつきごみ箱!
そして最後に絶対必須なのが、フタつきのごみ箱。
ゴミを衛生的に管理するために必要なので、忘れないようにしましょう。
プラスチックの安いもので十分です。
保冷ケース、もしくはふたつきの保管容器
コーヒーを出す人にはあまり必要ありませんが、食材の保冷用に保冷ケース。
そして食器類や調理器具の保管用にふたつきの保管容器を求められます。
もし、カフェオレなどで牛乳を使う人は保冷ケースが必須です。
保健所の許可のために…というわけではありませんが、アイスコーヒーを出したい方も氷の保管用に保冷ケースは必須でしょう。
そして、提供するものにかかわりなく絶対に必要なのが食器類の保管ケース。
これは、衣類用のクリアケースなどで十分!
けっこう大容量を求められるので、大きめのものをおすすめします。
地域やイベントによって必要になる設備は違う
さて、必要な設備をひととおりご案内しましたが、保健所の審査はすべての地域で一律ではありません。
先ほど手洗い設備でご紹介したように、自治体ごとに判断が分かれるものも。
きちんと各自治体の保健所が発行する営業許可の書類に目を通しておきましょう。
なんなら、初めての方は保健所に電話して聞いておいたほうが安全です。
大型のイベントが少ない地域なら、「〇〇のイベントですね。あのイベントに必要なのはこれとこれと~」と、保健所の担当者の方もスムーズに対応してくれることがほとんど。
「当日出店できない」なんてことを防ぐためにも、保健所はガンガン活用しましょう。
マルシェ出店にあったほうが便利な道具
ここまでは保健所の飲食営業許可をとるのに必要な道具をご紹介してきました。ここからは、マルシェ出店にあったほうが絶対に便利な道具をご紹介していきます。
湯沸かしやライトアップに!コードリール
コーヒーやカフェ出店で大事なのがお湯の確保。
ガス火が使えないイベントなどでは、電気を使ってお湯を沸かすこともあるでしょう。
ただ、マルシェによっては電源の距離が遠く、家電製品の電源ケーブルが届かないことも。
そういったときに必須なのがコードリールです。できれば5mぐらい長さのものがあると吉です。
テントを強風から守ろう!テントの重り
屋外イベントの場合、風が吹くとテントが飛んでしまう可能性があります。
それを抑える重りは絶対必要です。
以前、実際に重りを忘れて、テントを押さえながら営業されている店舗様がいらっしゃいました…。
あれでは商売になりません。
重りはなんでもいいのですが、水を入れればいつでも重りになる注水式のウェイトバッグは便利です。
荷運びには必須!台車やキャリーカート
最後に、会場によっては台車を持っていくと便利でしょう。
便利というか、会場によっては駐車場がかなり離れていることもあるため、ないとしんどいです。
ただの台車でも構いませんが、マルシェではワゴン式のキャリーカートを使っている方が多いです。
荷物を一気に運べてたためるのは便利ですね。
マルシェ出店に必要なもの まとめ
さて、ここまでいろいろと書いてきましたが、まず一番重要なのは以下の2点。
・イベントの規約や必要なものについてしっかり読み込んでおく
・イベントが開かれる自治体にしっかり必要なものを確認しておく
以上です。
上述した道具や許可は、多くの自治体で必要な許可申請、設備をご紹介しています。
…が、すべての自治体にあてはまるとは限りません。
自治体によって、そしてイベントによって判断が大きく分かれるからです。
また、もう1つ重要なポイントとして、折りたたみできて・軽いこと。
これはもう本当に大事。マルシェやイベントはとにかく体力勝負です。
できるだけ荷運びの段階で体力を使わないように心がけましょう。
テイクアウト備品など、細かい消耗品についてはこちらの記事をご覧ください!
マルシェ出店のガイドブックも書いています!
ちなみに、今回ご紹介した道具も含めて解説したマルシェ出店のガイドブックも書いています。
初めてマルシェ出店される方には絶対に役立つ本になっているので、ぜひご覧くださいね!
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