基本的に、「個人事業主の開業時期について、おすすめな時期は特にない」というのが一般的です。
それよりは、「一人一人の事情に応じて開業時期を決めましょう」と言われます。
では、コーヒー屋にとっておすすめの開業時期はあるのでしょうか?
個人事業主全体でおすすめの開業時期は特にない
まず、一般的には、個人事業主の開業でおすすめの開業時期は特にないと言われています。
実際、個人事業主の開業時期は、新年度である春先を除けば基本的に年中横ばいです。
税金面だけで言えば、年始に近いほうがおすすめ
強いて言うなら、個人事業税の控除が開業初年度だけ月割りになってしまいます。
その事業税の支払いを考えると早めの時期の開業がおすすめという税理士さんもいらっしゃいます。
具体例を見てみましょう。
ただ、カフェ・喫茶店に限らず、飲食店は初年度の開業資金がかなりかかります。
「居ぬきでタダで譲ってもらった」といった特別な事例でなくとも、基本的に初年度は赤字のはずです。
そのため、税金面での開業時期もそれほど考えなくてよいと言っていいでしょう。
コーヒー屋の開業時期と売上に関して
さて、ここまでが「個人事業主一般の開業時期について」のお話。
ここからは、コーヒー屋の事情についてです。まず、知っておくべき一番大事なことがあります。
それは、「コーヒーは冬場に売れて夏に売れなくなる」ということ。
総務省のデータによれば、コーヒー飲料(缶コーヒーなど)は夏場に売上が上がるものの、コーヒー(豆や粉など)は冬場に圧倒的に支出が増えることが分かります。
一番売上の悪い9月からすれば倍以上です。
喫茶店の売り上げに公的なデータはないが…
ちなみに、喫茶店のコーヒーの売上については、公的なデータはありません。
ただ、Googleトレンドで「コーヒー豆」と検索してみると、やはり夏場に一番検索数が下がります。
コーヒーやコーヒー豆自体への関心が薄れる時期と言っていいでしょう。
また、喫茶店もコーヒー豆の卸量でも、体感でだいたい3割ぐらいは売上が落ちるイメージです。
ときどき、「夏場はアイスコーヒーがあるんだから、そこまで売上は変わらないでしょう?」と言われることがあります。
おそらく、その方たちは缶コーヒーやコンビニコーヒーでしかコーヒーを飲まれない方だと思います。
確かに、総務省のデータを見ても、缶コーヒーなどは夏場に売上が上がります。ただ、コーヒー屋にとっては基本的に夏場は鬼門なことを知っておきましょう。
コーヒー屋の開業は年末~春先がおすすめ
これを踏まえて、コーヒー屋の開業に関しては、年末~春先ごろがおすすめです。
一番売れない時期も乗り越えた後で、これからピークの売上を迎えていく時期。
開業してすぐは、運転資金面で辛いことも多いでしょう。また、できるなら最初は多くのお客様に入ってもらい、「人気店」のイメージをつけてオープンしたいところです。
それを考えると、やはり売上が上がりやすい冬~春先に開業するのが一番おすすめでしょう。
ただし、あくまで”タイミングが合えば”
ただし、これはあくまで”タイミングが合えば”です。
もともと4月に開業予定だったのを急かして12月に開業してもいいことはありません。逆に、8月開業予定だったのに10月まで待っても、家賃などの経費が辛いだけでしょう。
あくまで、「もともとの計画段階で合わせるなら冬~春を目標にしたほうがいい」というだけです。
必ず冬場~春先に開業しないといけない!…わけではないのでご注意を。
コーヒー屋の開業時期について まとめ
コーヒー屋の開業時期についてポイントをまとめておきます。
- 個人事業主全般でおすすめの開業時期は特にない
- 年末に近づくほど控除が少なくなるが、飲食店にはあまり関係ない
- コーヒーは夏場に売上が下がり、冬場に売上が上がる
- できるなら冬場の開業がおすすめだが、”タイミングが合えば”
以上です。
開業時期は、いろいろな事情でままならないことがたくさんあります。
ただ、計画段階では、売上や客入りなどを予測してオープン計画を立てることをおすすめします。
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