飲食店の開業をする際、多くの方が検討するのは創業融資です。
ただ、専門的な話は税理士さんなどお金に詳しい方がたくさんお話しをされています。
ここでは「飲食店側」、つまり借りる側としてどんな準備をすればいいのかといったお話をしていきます。
開業融資は〇〇年前から準備する
融資は担当者との初回面談からだいたい1か月ほどで受けられます
※面談が長引いた場合は、長期になることも
ただし、開業のための融資は1,2か月前に始めればいい…というものではありません。
融資を受けるためには数年前からコツコツと資金をためておく必要があります。
たとえば、よく言われる例をみてみましょう。同じ自己資金が300万円の人でも、AとBのどちらのほうが評価が高いでしょうか?
A. 毎月10万円ずつためて、2年半をかけて300万円の預金がある人
B. これまで貯金などは一切なく、融資前月にいきなり300万円の預金がある人
答えは、もちろんAです。
融資を受けるときには、これまで怪しいお金の動きなどがないか、口座を数か月分チェックされます。
Bの方は、今までなんで貯金ができなかったのか、なぜ急に300万円の入金があったのかを融資担当者に聞かれることでしょう。
まず、開業融資は数年前から始める必要があることをご注意ください。
自己資金の目安は目標額の3ぶんの1
※1,000万円が最終的な開業資金なら、自己資金300万円・融資700万円
資金確保と事業計画書の作成を並行する
資金確保と並行してすすめたいのが、事業計画書の作成です。
事業計画書のテンプレートは、下記サイトからご覧いただけますので、ぜひダウンロードしておいてください。
事業計画書には下記のようなことを書く必要があります。
- 創業の動機
- 略歴
- 取扱商品
- 取引先
- 従業員の人数
- (創業融資以外の)借り入れ状況
- 必要な資金と調達方法
- 事業の見通し(運転計画)
事業計画書は本来、直前に準備したってかまいません。ただ、慣れないうちは1枚書くのでさえ大変です。
早め早めに準備しておいて損はありません。
なんなら、「取扱商品」と「事業の見通し」はコンセプトや開業資金にかかわってくるので、融資を受けない方でも考えてほしいぐらいです。
自己資金がたまったら税理士か商工会議所へ相談
さて、自己資金がたまったら融資を受けるために銀行へ…というのは少しお待ちください。
直接銀行へ行くよりも、まずは税理士か商工会議所へ相談に行きましょう。
実は、直接銀行などへ融資の相談に行くよりも、税理士や商工会議所を通したほうが金利が優遇されるためです。
※税理士に関しては税理士ごとに異なります
https://sogyotecho.jp/chamber-of-commerce-and-industry/
日本政策金融公庫の新規開業資金(日本政策金融公庫のページ)について、貸付利率の引き下げ対象として同資金を利用することができます。
※地域によって支援内容が異なる場合もあるので、詳細は各商工会等にお問い合わせください。
金利以外にも、商工会議所では起業に関する様々なサービスを格安で受けられます。
意外と頼らない方が多いのですが、特に地方では商工会議所とのつながりが密なほうが便利なことも多いため、ぜひ一度は頼っておくとよいでしょう。
お近くの商工会議所については、下記サイトからお探しいただけます。
金利が優遇される税理士かは直接尋ねてみて!
また、少し触れましたが、商工会議所以外にも税理士でも、融資の金利が安くなることがあります。
ただ、本来税理士は節税など「ムダなお金の出費を適正に減らしてくれる人」であって、「お金を増やすのが専門の人」ではありません。
そのため、税理士なら誰でも金利が安くなる…わけではありません。
融資に強い税理士を探したい場合は、ネットで「”〇〇(地域名)” “融資” “税理士”」と調べてみてください。
もしくは、下記のfreee税理士検索のようなサイトで、お住まいの地域を探していただくのも手です。
融資に強い税理士の場合、融資担当者に合う前に簡単に面談やアドバイスをしてくれます。
- 事業計画の相談
- 自己資金から融資金額の相談
- 融資担当者との初回面談時の付き添い
私も一度利用したことがあります。初めて融資を受けるときは心強い味方になるので、ぜひ一度相談してみましょう。
ほとんどの税理士事務所が初回相談は無料に設定しているはずです。
融資は公庫か民間のどちらから選ぶ?
ちなみに、融資を受けるとなると、公庫(日本政策金融公庫)か、銀行(地方銀行や信用金庫)のどちらか、あるいは両方からお金を借りることになります。
基本的に、創業融資に関してはほとんどの人が公庫の融資をおすすめします。
理由としては、公庫は政府系の金融機関であり、「国民生活の向上」と「民間金融機関の補完」を目指しているから。
簡単に言えば、国民の事業を応援してくれているということですね。
※と言っても、もちろん無条件にお金を貸すわけではありませんが…
それに対して、銀行はあくまで営利のため(融資で利益を出すため)にお金を貸しています。
そのため、新規創業では信用がなく、思う金額の融資が借りられなかったりするためです。
借りる金額が大きい場合は公庫と銀行を併用も
ただし、融資を受ける金額が大きい場合は公庫だけでまかなえないことも。
たとえば、1,000万円以上の融資を受けたい場合は、公庫+銀行を利用することもあります。
こういったときは、税理士だけでは対応できないこともあるでしょう。
補助金なども使えないかを含めて、必ず、商工会議所など信用できる機関に相談しましょう。
飲食店の新規創業で銀行の融資を受けるには まとめ
改めて、飲食店の新規創業で銀行の融資を受けるためのプロセスをまとめておきます。
- 自己資金は長期的にコツコツとためておく
- 貯金とあわせて事業計画書をすすめておく
- 税理士や商工会議所を頼る
- 基本的には公庫から借りるのがおすすめ
- 額が大きい場合は銀行との併用も検討する
以上です。
最初の資金は、飲食店のクオリティや今後の安定性に直結する大事な要素。
融資の審査は簡単ではありませんが、ぜひ頑張ってくださいね!
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