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カフェ・喫茶店のコンセプトを考える際の大事なポイントとは?

開業準備・方法

カフェ・喫茶店をオープンするときに、一番大事なのが“コンセプト”です。

コンセプトが決まらないと、お店の”ウリ”が分からず、集客もできませんし、お客様に魅力も伝わりません

なにより、コンセプトは開業資金などにもダイレクトにかかわってきます。

そこで本記事では、カフェ・喫茶店のコンセプトとは?また、その決め方などをご紹介していきます。

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どんなカフェ・喫茶店を作りたいのか?

私たちはカフェ開業サポートをしているとき、必ず「どんなカフェを作りたいですか?」と尋ねています。

すると、だいたいの方がこんな答えを返されます。

・美味しいコーヒーをおしゃれな空間で飲んでもらいたい
・女性が1人で落ち着けるお店を作りたい
・バイクが好きなので、バイク好きが寄れるカフェにしたい

先にお伝えしておくと、これらのコンセプトが悪いわけではありません。

こういった“想い”や”理想”はカフェ経営をしていくうえでとても大事なことです。

ただし、これらはコンセプトではありません。

コンセプトは「誰に」「なにを」「どのように」届けるか

中小機構によると、事業コンセプトとは以下のようなものだとされています。

事業コンセプトは、起業のアイデアをビジネスの構想として具体的に整理したものです。「誰に」「何を」「どのように」といった視点でまとめることで、事業概要が端的に表現されます。

https://j-net21.smrj.go.jp/index.html

つまり、カフェ・喫茶店のコンセプトとは「誰に」「なにを」「どのように」届けるかが重要だということです。

ただ、「どのように」と言うと、少しあいまいで分かりづらいので、もう少し具体的に「どこで」「いつ(営業時間)」「いくらで」提供するか?と言い換えましょう。

つまり、カフェ・喫茶店のコンセプトには以下の5つが大事

WHO 「誰に?」
WHAT 「なにを?」
WHERE 「どこで?」
WHEN 「いつ?」
HOW MUCH 「いくらで?」

カフェ・喫茶店のコンセプトとは、この5つのプロセスを決めることです。

コンセプトはなければないでカフェを開業できてしまいます。

実際、営業許可をとったり、食品衛生責任者をとったりといった“カフェを開業できる状態にすること”には、コンセプトはなんの影響もしません

ですが

「お店のメニュー開発をする」
「自分の目的にあった客層を呼ぶ」
「お店を長年続けていく」

といったときに、コンセプトはとても重要になってきますので、ぜひ1つ1つ設定していきましょう。

WHO どんなお客様にカフェに来てほしいか?

まず一番目に大事なのが、「どんなお客様に来てほしいか?」。いわゆるターゲット層です。

たとえば、20~30代のサラリーマンの男性を呼ぶカフェと、60代以降のセカンドキャリア層の女性を呼ぶカフェはお店の作りから、メニュー、価格帯、立地などすべてが変わってきます。

そのため、まずは「どんなお客様に見えてほしいか?」をハッキリさせましょう。

このとき、以下のように分けると、ターゲット層が明確になります。

「年齢層」
「性別」
「仕事やキャリア」
「収入」
「(専門店なら)お客様の知識量や専門性」

NGなのは「いろんなお客様に来てほしい」

こういった話をすると、たまに「いろんなお客様に来てほしいです!」と言われる方がいます。

これは絶対にNGです。

大事なことですが、普通、たいていのオーナー様は「いろんなお客様に見えてほしい」と思っています。

ただ、先ほども触れたように20代のサラリーマン男性と、60代以降のセカンドキャリアの女性が望むお店はまったく別物です。

つまり、「いろんなお客様に向けたお店」は「誰にとっても最高ではないお店」なのです。

“客層を絞る”と言うと、”来てほしくないお客様を作る”ことだと考えられる方がいらっしゃいます。

そうではありません。客層を絞ることは、“全員が最高とは言わないかもしれないけれど、狙ったお客様には満足してもらえるお店を作る”ことなのです。

WHERE どこでカフェを開業するのか?

ターゲット層が絞れれば、「どこで開業するのか?」も自然と決まります。

先ほどの例で言えば、20代のサラリーマン男性をターゲット層にするのに、昼間の住宅街にカフェをオープンしてはいけません。

逆に、60代の女性をターゲット層にするのに、オフィス街や繁華街にお店をオープンするのもNGです。また、階段があると辛いため、2階や地下にお店を作るのも難しいでしょう。

また、低単価なカフェの場合は高級住宅街に作ってはいけませんし、高単価なお店が街中の若者が多い街にお店を構えるのもNGでしょう。

話で聞くとわかりやすいのですが、意外とみんなやってしまいがち。

もちろん、持ち物件でお店を開業するとなると、セオリー通りにはいかないかもしれません。

ですが、せっかくテナントを借りるなら、立地×ターゲット層がかみ合った場所で開業をしましょう。

WHAT なにをカフェで提供するのか?

だれをターゲットにするのか?どこでカフェを開業するのか?よりも先に決めている人が多いのが「なにをカフェで提供するのか?」

「美味しいスペシャルティコーヒーを出したい」
「スイーツ専門店で働いてきたから美味しいスイーツを出したい」

このように、自分の専門分野のメニューを出したいオーナー様は多いです。

そのため、まずは”どんなメニューを提供したいか?”から考えるのは間違いではありません。

ただし、その場合は、自分が出したいメニューを飲む客層はどんな層か?をハッキリさせておきましょう。

たとえば、コーヒー業界にはスペシャルティコーヒーという高品質かつ高単価なコーヒー豆があります。

スペシャルティコーヒーの定義 « SCAJについて | Specialty Coffee Association of Japan
一般社団法人 日本スペシャルティコーヒー協会の公式Webサイトです。

コーヒーはそもそも嗜好品なので、比較的裕福な層をターゲットにするのがセオリー

スペシャルティコーヒーはそのなかでも高単価なので、さらにその傾向は強まるでしょう。

そのため、ランチ需要しかないような工場エリアにお店を構えるよりは、意識の高い客層が多い高級住宅街のほうがより需要があります。

コーヒーでたとえましたが、これは食事やスイーツ、パンでも同じことです。

高単価な素材を使って、高単価なものを出すのであれば、そういった客層を狙い、そういった客層が多い場所にお店を構えるべきです。

昼の嗜好品の高単価層は変わりつつある

ただし、コーヒーやケーキといった昼間の嗜好品に関しては、年々若い方でも高いお金を支払うようになってきています。

実際の喫茶店の1杯あたりのコーヒーの価格の推移を見ても、それは明らかです。

コロナ禍、若者のアルコール離れ、人件費の高騰、物価の上昇etc…

いろいろな理由はありますが、昔よりもカフェ・喫茶店の単価は上がってきていると言っていいでしょう。

今や、コーヒー+スイーツで1,000円を超えるのは珍しくもありません。

そのため、スペシャルティコーヒーを使ったからと言って、必ずしも裕福な客層を狙う必要はありません

時代によって、「コーヒー(ケーキなどに置き換えてもらっても構いません)にお金を使う層」はまったく変わってきています。

ターゲット層を考えるときは、実際にマネをしたい、自分のお店に近いカフェに足を運んで、そのお店の客層をリサーチすることをおすすめします。

WHEN いつお店をオープンするのか?

これが意外と悩みどころ。

あなたのお店の営業時間は何時から何時までにしますか?

これに関して、正直に言うと正解はありません。ぶっちゃけ、実際にお店をオープンさせてしまってから決めるオーナー様も少なくないぐらいです。

ただし、ある程度の決め方はあります。

たとえば、サラリーマンを狙うオフィス街にお店を構えるなら、定休日は土日。また、営業時間は7~9時、もしくは15~18時に必ず営業すべきです。ランチをやるなら12時台も開けましょう。

このように、定休日や営業時間は、ある程度ターゲット層が決まれば決まってきます

ただし、難しいのが繁華街や住宅街です。

・土日は営業するとしても、平日のいつを休みにするのか?
・朝にやるとしても、何時から始めるのか?

こういったことは、営業する予定地の近隣のカフェに行って、実際にいつお客様が多いのかなどをリサーチする必要があります。

高齢者が多い住宅地だから早めに締めていたら、二世帯住宅が多く、サラリーマンの帰宅需要や主婦の保育園の送り迎えも多かった…

なんてことのないよう。

HOW MUCH いくらで提供するのか?

「いくらで提供するのか?」これは全経営者が頭を悩ませる問題です。

これに関しても、定休日や営業時間と同じように”正解”はありません

ただし、大事なポイントが1つだけあります。それは安売りしないことです。

個人店は、チェーン店と比べると原価比率が高いです。また、スペースも狭く、回転率を上げることが難しい造りになっています。

営業時間も店長やオーナーの労働力を考えると長くできないため、家賃に対しての人件費などの割合が多くなってきます。

つまり、薄利多売は個人カフェ、小規模カフェではそもそも難しいのです。

田舎だから…
学生やお金のない人にも楽しんでほしいから…
技術に自信がないから…

いろいろな理由をつけて安くしようとする方がいらっしゃいます。ただし、そういったカフェのほとんどが長続きしません。

薄利多売にしてしまったために、お客様は多いのに閉店していく、業態変更を余儀なくされるカフェを何件も見てきました。

ターゲット層や立地を意識するのは大事。

ですが、そのなかで他店よりも少しでも単価を上げるために、なにができるか?どうしたら満足してもらえるか?もあわせて考えられることをおすすめします。

コンセプトが決まったら具体案に落とし込もう!

さて、ここまで5つの視点から、コンセプトを決める作業をしてきました。

あなたのやりたいカフェのイメージは固まりましたか?

ここで大事なのが、イメージが固まったら実際にモデルケースとなるカフェや喫茶店を探すことです。

これがあるのとないのとでは、事業計画書の書き方やデザイナーとの相談などのスムーズさが全く違います。

もちろん、大事なのはあくまで参考にするだけ。そのお店の2号店を作るのではなく、あなたのお店を作るのですから。

モデルケースとなるお店を見つけたら、どこをマネして、逆にどこをマネしないのかはっきりさせることが、カフェ開業のスムーズさにつながる秘訣です!

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